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台湾のオートバイ業界
世界市場に届く最先端技術
Polly Yang
2007年6月12日
台湾のオートバイ業界の特徴
1.台湾のオートバイメーカーの自社製造率は既に98%を超えている。また、オートバイのパーツから完成車までの全てを結び付ける統合サプライチェーンがあるため、台湾のオートバイ業界の生産高は国内市場の需要を満たすだけでなく、世界市場への供給においても極めて大きな位置を占めている。
2.過去3年の間に、台湾のオートバイ業界の年間生産高は400億台湾ドルを超えたが、オートバイパーツ業界の生産高の成長はそれ以上に著しく、2003年には286億台湾ドルだったのが2004年には405億台湾ドルと、42%の伸びを見せた。2004年のオートバイとパーツを合わせた生産高は、827億台湾ドルにものぼった。台湾ではIT産業が花形産業で、そのお陰で従来の産業の影が薄くなっているが、生産の質やマーケティングの競争力を高めようと努力している業界もまだある。オートバイ業界はその典型的な例の一つで、台湾でも特に競争力の高い産業の一つになっている。
3.2006年の台湾のオートバイ業界とパーツ業界の生産高は、それぞれ415億台湾ドル、376億台湾ドルで、合計791億台湾ドルに達した。
台湾のオートバイ業界の生産高
単位: 1億台湾ドル
|
年
業界
|
1997
|
1998
|
1999
|
2000
|
2001
|
2002
|
2003
|
2004
|
2005
|
2006
|
|
オートバイ
|
465
|
411
|
369
|
367
|
303
|
307
|
406
|
422
|
440
|
415
|
|
成長率
|
0.87%
|
-11.61%
|
-10.22%
|
-0.54%
|
-17.44%
|
1.06%
|
32.25%
|
3.94%
|
4.27%
|
-5.68%
|
|
オートバイパーツ
|
410
|
325
|
308
|
259
|
205
|
243
|
286
|
405
|
406
|
376
|
|
成長率
|
12.64%
|
-20.73%
|
-5.23%
|
-15.91%
|
-20.85%
|
18.91%
|
17.70%
|
41.61%
|
0.25%
|
-7.39%
|
|
合計
|
875
|
736
|
677
|
626
|
508
|
550
|
692
|
827
|
846
|
791
|
|
成長率
|
13.51%
|
-15.89%
|
-8.02%
|
-7.53%
|
-18.85%
|
8.27%
|
25.82%
|
19.51%
|
2.3%
|
-6.50%
|
出典: 台湾区車輌工業同業公会(TTVMA)
国内市場と世界市場
2006年の台湾のオートバイの完成車(CBU)の総売上台数は 123万5,210台で、そのうちの74万6,504台は国内市場で、48万8,706台は海外市場で販売された。より便利な公共交通機関の開通と絶えず変化する消費者の志向が国内市場の供給過剰を招き、台湾での売上台数は1994年の119万台から徐々に減少して、2006年には74万6,000台にまで減っている。
しかし、この逆風を受けたオートバイとパーツのメーカーは、新製品の開発と輸出市場の拡大により一層力を入れるようになった。そして、台湾からヨーロッパへの輸出は、WTOの加盟国であることとユーロ高を反映して次第に競争力をつけた。この傾向が見られる2004年は、オートバイの完成車の輸出高が急増して過去最高を記録した頃で、世界経済の回復、国際貿易の好況、ATVパーツの需要増大の影響によって大幅に成長したのである。
過去3年間の統計から分かるように、2004年のオートバイ(CBUと現地組立車(KD))の輸出台数は84万台で、総売上高の52.10%を占めているが、2005年は輸出台数が65万台、総売上高のわずか45.16%、そして、2006年は輸出台数68万台、総売上高の47.53%である。
下の表が示すとおり、輸出の占める割合が1998年の34.12%から2006年には47.53%に増えていることから、台湾のオートバイ業界は国内販売中心から基本的に輸出中心へと移行したと言える。
台湾のオートバイ業界の生産高と売上高
|
年
|
1998
|
1999
|
2000
|
2001
|
2002
|
2003
|
2004
|
2005
|
2006
|
|
国内販売
|
台数
|
872,168
|
796,919
|
759,170
|
628,776
|
633,078
|
781,033
|
772, 814
|
793,918
|
746,504
|
|
市場
シェア(CBU)
|
65.88%
|
67.06%
|
67.49%
|
73.87%
|
72.19%
|
71.01%
|
60.92%
|
62.28%
|
60.44%
|
|
市場
シェア(含KD)
|
65.88%
|
67.06%
|
67.49%
|
62.23%
|
56.49%
|
58.21%
|
47.90%
|
54.84%
|
52.47%
|
|
成長率
|
-14.34%
|
-8.63%
|
-4.74%
|
-17.18%
|
0.68%
|
23.37%
|
-1.05%
|
2.73%
|
-5.97%
|
|
輸出
|
CBU
|
451,754
|
391,507
|
365,775
|
222,440
|
243,900
|
317,519
|
495,776
|
480,768
|
488,706
|
|
市場
シェア
|
34.12%
|
32.94%
|
32.51%
|
26.13%
|
27.81%
|
28.90%
|
39.08%
|
37.72%
|
39.56%
|
|
成長率
|
-10.80%
|
-13.34%
|
-6.51%
|
-39.19%
|
9.65%
|
30.18%
|
56.14%
|
-3.22%
|
1.65%
|
|
KD
|
--
|
--
|
--
|
159,217
|
243,619
|
243,192
|
344,633
|
173,024
|
187,581
|
|
小計
|
451,754
|
391,507
|
365,775
|
381,657
|
487,519
|
560,711
|
840,409
|
653,792
|
676,287
|
|
市場
シェア
|
34.12%
|
32.94%
|
32.51%
|
37.77%
|
43.51%
|
41.79%
|
52.10%
|
45.16%
|
47.53%
|
|
成長率
|
-10.80%
|
-13.34%
|
-6.51%
|
4.34%
|
27.74%
|
15.01%
|
49.88%
|
-22.21%
|
3.44%
|
|
合計
|
CBU
|
1,323,922
|
1,188,426
|
1,124,945
|
851,216
|
876,978
|
1,098,552
|
1,268,590
|
1,274,686
|
1,235,210
|
|
成長率
|
-13.16%
|
-10.24%
|
-5.34%
|
-24.33%
|
3.03%
|
25.27%
|
15.48%
|
0.48%
|
-3.10%
|
|
KD
|
--
|
--
|
--
|
159,217
|
243,619
|
243,192
|
344,633
|
173,024
|
187,581
|
|
合計
|
1,323,922
|
1,188,426
|
1,124,945
|
1,010,433
|
1,112,597
|
1,341,744
|
1,613,223
|
1,447,710
|
1,422,791
|
|
成長率
|
-13.16%
|
-10.24%
|
-5.34%
|
-10.18%
|
10.90%
|
20.60%
|
30.77%
|
-10.26%
|
-1.72%
|
|
台数
|
1,309,958
|
1,181,796
|
1,121,310
|
994,794
|
1,123,061
|
1,341,089
|
1,603,275
|
1,449,458
|
1,412,953
|
|
成長率
|
-14.09%
|
-9.78%
|
-5.12%
|
-11.28%
|
12.89%
|
19.41%
|
19.55%
|
-9.59%
|
-2.52%
|
出典: 台湾区車輌工業同業公会(TTVMA)
完成車の輸入と輸出
ユーロ高を受けて、台湾のオートバイのヨーロッパへの輸出はますます競争力を高め、台湾のオートバイにとってヨーロッパは最大の輸出市場になっている。2006年には、ヨーロッパに輸出した完成車は18万6,359台にのぼった。ヨーロッパ諸国の中で、イタリアの市場シェアは輸出高16億台湾ドルで第1位、次いで15億台湾ドルのスペインである。アジア市場の好況により、2006年にアジアへ輸出した台湾のオートバイの完成車は18万1,320台で、日本、香港、韓国での市場シェアが高い。
2006年の台湾製オートバイの完成車の輸出高は160億台湾ドルで、前年の163億台湾ドルから減少している。これは、米ドルに対する台湾ドル高により、海外市場における台湾のオートバイの価格競争力が低下したことと、海外の生産ラインへの投資が増えて海外拠点から直接輸出するようになったためである。2006年の台湾製オートバイの完成車の輸出先上位10ヶ国は、日本、イタリア、米国、スペイン、ベルギー、ドイツ、カナダ、香港、韓国、オーストラリアで、主な輸出業者は、Kwang Yang Motor Co.、Yamaha Taiwan, Sanyang Industry Co.、Tailing Motor Co.、Motolift Corp.、Yeong Fan Ind.、CPI Motor、Her Chee Ind. Co.である。一方、2006年の輸入を見ると、台湾は主に13億台湾ドル相当のオートバイを輸入しており、その供給国は主に日本(9億台湾ドル)、ドイツ(2億1,000万台湾ドル)、イタリア(7,000万台湾ドル)、米国(6,000万台湾ドル)、英国(3,000万台湾ドル)、中国(1,000万台湾ドル)、タイ、オーストラリア、スペイン、ベトナムという供給国上位10ヶ国である。
2007年8月から、排気量550cc以上のオートバイが高速道路を走行できるようになった。それ以前は、試験走行しか高速道路での走行は認められていなかったが、規則が変わり、排気量の大きいオートバイの購入に再び関心が集まっている。台湾における大排気量オートバイの平均需要は、8,000~1万台前後である。例えば、2006年に大排気量オートバイに新たに交付されたナンバープレートは6,000枚だが、高速道路での走行禁止がなくなったため、消費者の車の選択はもっと多様になることが予想される。
台湾のオートバイの相手国別輸出高(2004年~2006年)
単位: 1,000台湾ドル
|
順位
|
国名
|
2006年
|
2005年
|
2004年
|
|
1
|
日本
|
4,081,158
|
3,229,759
|
3,637,379
|
|
2
|
イタリア
|
1,572,169
|
2,014,331
|
1,423,146
|
|
3
|
米国
|
1,564,767
|
1,729,535
|
1,919,091
|
|
4
|
スペイン
|
1,528,099
|
1,657,139
|
957,146
|
|
5
|
ベルギー
|
880,428
|
911,226
|
686,680
|
|
6
|
ドイツ
|
731,599
|
751,752
|
887,205
|
|
7
|
カナダ
|
629,600
|
396,512
|
-
|
|
8
|
香港
|
515,914
|
540,827
|
557,312
|
|
9
|
韓国
|
432,226
|
205,542
|
-
|
|
10
|
オーストラリア
|
357,580
|
256,275
|
156,598
|
|
11
|
イスラエル
|
354,338
|
272,567
|
201,829
|
|
12
|
デンマーク
|
328,485
|
319,359
|
285,680
|
|
13
|
ギリシャ
|
286,621
|
342,598
|
348,469
|
|
14
|
フランス
|
257,998
|
197,530
|
260,136
|
|
15
|
トルコ
|
242,963
|
316,919
|
-
|
|
16
|
マレーシア
|
240,449
|
730,895
|
1,005,112
|
|
17
|
英国
|
184,226
|
235,116
|
321,792
|
|
18
|
オランダ
|
153,344
|
189,251
|
224,388
|
|
19
|
マカオ
|
134,558
|
-
|
-
|
|
20
|
スウェーデン
|
132,119
|
-
|
-
|
|
その他
|
1,436,491
|
1,977,823
|
2,777,401
|
|
合計
|
16,045,132
|
16,274,956
|
15,649,364
|
出典:1.台湾貿易統計
2.台湾区車輌工業同業公会(TTVMA)
オートバイパーツの輸入と輸出
世界的なスポーティ志向やカジュアル志向を受け、ATVは台湾のオートバイメーカーの中核製品となっている。こうした新しいトレンドの登場により、まだ若いATV業界はオートバイパーツの輸入を増やした結果、台湾は2006年には、主に中国、日本、イタリア、米国、マレーシア、ベトナム、シンガポール、タイ、フランス、スイスから、57億台湾ドル相当のオートバイパーツを輸入した。ちなみに、2006年以降、中国は日本に代わり、台湾へのオートバイパーツの供給国第1位の座にある。
2006年の台湾のオートバイパーツの輸出高は387億台湾ドルにのぼり、その輸出先上位10ヶ国は米国、ドイツ、イタリア、中国、オランダ、日本、ベトナム、香港、英国、カナダであった。オートバイパーツの主な輸出製品には、タイヤ、ギア、エンジンが含まれる。最近、一部のメーカーがオートバイの完成車と相まって海外投資を拡大したことから、オートバイパーツの輸出増加が図られている。
台湾のオートバイパーツの輸出先上位10ヶ国と
台湾が輸入したオートバイパーツの供給国上位10ヶ国(2006年)
単位: 1,000台湾ドル
|
輸出先
|
米国
|
ドイツ
|
イタリア
|
中国
|
オランダ
|
日本
|
ベトナム
|
香港
|
英国
|
カナダ
|
|
輸出高
|
8,641,364
|
2,921,228
|
2,876,426
|
2,239,486
|
2,142,907
|
2,018,144
|
1,536,792
|
1,426,564
|
1,263,665
|
1,095,212
|
|
供給国
|
中国
|
日本
|
イタリア
|
米国
|
マレーシア
|
ベトナム
|
シンガポール
|
タイ
|
フランス
|
スイス
|
|
輸入高
|
2,181,767
|
2,054,751
|
300,174
|
298,299
|
204,622
|
181,725
|
150,158
|
60,669
|
59,406
|
53,135
|
まとめ
台湾のオートバイ産業は40年以上前から始まり、年間約800億台湾ドルの生産高をあげている。しかし、国内市場の供給過剰と海外市場の激しい競争に直面し、不断の研究と革新こそが市場動向に対応し、研究と革新を続ける鍵であると見られている。現在、台湾製の排気量250cc未満のオートバイは、品質面で日本製のものにひけをとらず、海外の顧客から高く評価されている。近年、台湾のメーカーが排気量250~500ccのオートバイの開発に尽力しているのは、この規模の方が欧州および米国市場に適しているからである。台湾は、高付加価値製品の開発に集中することにより、中国における価格戦争に加わって競争することを巧みに回避している。また、東南アジア、中国、ラテンアメリカ、アフリカといった新興市場でのシェアの拡大を目指し、相応な価格と実用性の伴った製品を提供するという戦略を採っている。
過去数年にわたり、台湾のオートバイメーカーは、海外生産をインド、インドネシア、ベトナム、中国にまで広げてきた。長期投資の経験を通じてそれらの市場の特徴を十分に理解しているため、台湾企業は上述の国々への参入に関心を持つ国際企業にとって最良のパートナーである。つまり、台湾は、「Via-Taiwan Service(台湾を介したサービス)」を通じて、アジア市場への理想的な架け橋となるのである。
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